首の痛みとヨガ

その首の痛みは本当に好転反応?

ヨガに関する日本語サイトを読んでいて、気になる文章がありました。「ヨガをして首が痛くなったが、それは好転反応だ。」と言われたというのです。

現在、アメリカのベテランのヨガインストラクターの間では、一般の人向けのヨガのクラスではヘッドスタンドやショルダースタンドは教えないという人が増えています。インストラクターが一人一人に目の届ききらないクラスで、これらのポーズを教えるのは、あまりにリスキーだからです。

私の友人でヨガインストラクターもしているベテラン・ヨギーニが、あるヨガワークショップで3分のヘッドスタンドをさせられて(彼女にはしない選択しももちろんあったわけですが、)、それ以来、頚椎(首の骨)を痛めて、しばらくヨガができなかったと話していたのを聞いてから、私もヘッドスタンドは1分以内にとどめるようにしています。また、ヘッドスタントをする際には、前腕でしっかりと支えて頭へのプレッシャーは、ほぼゼロの状態でしています。

ヘッドスタンドで怪我をしたという話は、本当によく耳にします。

https://www.theguardian.com/commentisfree/2016/jun/03/facing-my-fear-yoga-injury-meditation-inner-peace
英語ですが、これを書いた人も、ヘッドスタンドで歩くことすら、ままならなくなったと書いています。
http://www.nbcnews.com/id/25400799/ns/health-fitness/t/bad-karma-when-yoga-harms-instead-heals/#.W333u8LZDDc
この記事では、Plow pose (Halasana)、そしてFish Poseで救急病院に運ばれるほどの怪我について書いています。

ヨガの怪我をしやすい部位」で書きましたが、引用します。

40% 腰 症状は椎間板ヘルニア、坐骨神経痛。

【原因のポーズ】前屈のポーズを深めようとしてです。意外に思うかもしれませんが、怪我をしやすい人は体が堅い人ではなく、むしろ柔軟な人です。なぜなら柔軟な人は、限界を越えてポーズを深めるようにで無理をしてしまうからです。

20% 膝 軟骨断裂
15% 肩 【原因のポーズ】アームバランス
10% 首 【原因のポーズ】頭立ちのポーズ(Head stand)、肩立ちのポーズ(Shoulder stand)

と、腰に比べれば、はるかに少ないですが、それでもより深刻な怪我になってしまうのは首の方が多いのではないでしょうか。

頚椎(首の骨)は体重を支えるためにできていない

頚椎(首の骨)の中には脳からつながっている神経(頚髄)があります。老化によって頚髄が圧迫されやすくなり、ちょっと転んだだけでも、麻痺が起こることがあるそうですが、私の母が正にそうで、お正月に坂道で顎から転んで腕から手の麻痺が長く続き、次に転んだら、下半身不随になるよと医者に言われて最終的に頚椎の手術をしました。(無事、回復しました。)

先日、旅行先で参加したヨガのクラスでは、若い20代のインストラクターがクラスの最後に、いきなり、「はいそれでは最後のポーズです。好きな逆転のポーズを5分してください。」と言うのを聞いて、ひっくり返るほどびっくりしました。中級のクラスという区切りはしてありましたが、参加者7名は、皆40代~50代、そしてどう見ても、ほとんどの人はヨガを始めて、それほど経っていない人ばかりでした。彼らが怪我をしなかったことを切に願います。

首は、肩と同じで可動域の大きい場所です。可動域が大きいということは、イコール不安定な場所ということです。体の体重を支えるためにはデザインされていません。

首の骨ヨガのクラスの後に首が痛くなったとしたら、まずは好転反応?とポジティブに思うよりは、首を痛めたかもと思っておいた方が間違いないと思います。ヨガは体には確かにいいですが、くれぐれも注意して行うことが必要です。インストラクターに何と思われようと、ポーズによっては、やらないという賢い選択肢も持っておいた方がいいです。

万が一、何か聞かれたりしたら、たとえば、「今、首に怪我をしているので、このポーズはやらないようにしています。」とはっきりと言っても全然構いません。逆転のポーズは、自律神経のバランスを整えるとか、リンパの流れをよくするとか、血圧を下げるとか内臓の働きを高める効果があると言われていますが、特に40代を過ぎてヨガを始める場合は、くれぐれも注意してください。

頭立ちのポーズと肩立ちのポーズ

ちょうど、このブログを書いている日に、スーパーでヨガ・ジャーナルの新刊が目に入り、サブタイトルの”Your guide to a pain-free practice”という言葉に惹かれて久々に買いました。先ほどページを開いてみて驚いたのは、いつもなら若いモデルのようなヨギーの写真が数多くあるのですが、今回の号に出ているのは、多分60代以上のベテラン・シニア・インストラクターのみ。ヨガを何十年と続けるための秘訣満載で、とても興味深いものでした。

序章にシニア・インストラクターたちの会話が掲載されているのですが、一人の人は「私は生徒にショルダースタンドは、1年半から2年、ヘッドスタンドは3年は教えない。またクラスに入ってきた生徒の姿勢を見てヘッドスタンドやショルダースタンドをするべきかどうか決める。」と言っています。また別のインストラクターは、「ヘッドスタンドやショルダースタンドは、利点も多くあるが、そのリスクを考えると、誰もがヘッドスタンドやショルダースタンドをするべきだとも思わないし、誰もするべきではないとも思わない。」と言っています。

首に負担の大きいポーズ

頭は一般成人で5キロです。それを細い一本の首が支えるわけで、首への負担は姿勢の良い人であっても、かなりあります。以下はテキスト・ネック(Text Neck)と言われている姿勢です。上の画像で示したように、首の前傾可動域の角度は焼く40度ですが、60度というのは、首の骨(頚椎)だけでなく胸椎(胸の部分の脊椎)の角度も足してということです。猫背を越えています。

首の重さ当然、首が反るポーズでも負荷が高まります。すきのポーズ(首の前傾)、魚のポーズ(首の後傾)、三角のポーズ(首の横や斜めへの傾きになりがち。上を向かずに目線は足元に落としたままだと負担が減ります。)、またコブラやアッパードッグやラクダのポーズでも首を反らしすぎないようにしましょう。

体が反るタイプのポーズでは、顎が上がり過ぎて首が後ろに反ってそってしまう傾向にありますので、顎を少し引き気味にしましょう。

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