肩の怪我を避ける注意点

友人が、とある東京の岩盤ヨガを教えるスタジオに通い始めたけれど、、半年ほどで肩が痛くなって止めたと言っていました。

せっかく体に良かれと思って一念発起して始めたとしても、間違ったアライメントでヨガをし続けた場合、年齢が上がれば上がるほど、また、運動歴がなければないほど、早々に痛みが出てギブアップということになりがちです。ですので、習い事では何事もそうですが最初に習う先生はとても大事です。

私の友人の場合は、元々が猫背気味の人だったので、恐らく肩が前傾した状態で肩に負担のかかるポーズを行ったための故障だったと推測します。

肩は以前にも書いたように体の中で最も可動域の大きい関節です。動きやすいということは同時に不安定でもあるということです。つまり、怪我をしやすい場所にもなります。

ですので、肩関節が正しい位置にない状態で負荷をかけたり、繰り返し同じ動作をすることで、怪我(靭帯の損傷、滑液包炎、ローテータカフ断裂)のリスクはますます高まります。

正しい肩のアライメント

矯正方法(タダスナ、山のポーズ)

  1. まっすぐに立って、腕を両脇におろし手のひらを内側に向いている状態から
    息を吸いながら肩をすくめ(足裏でしっかり床を押して、足裏から伸びる間隔で呼吸と体全体を使いましょう。)、
  2. 肩を後方に回し下げながら、手の平を外側に向ける。
  3. 上腕は、2の状態を保ったままで、前腕(ひじから下)だけを内側に向ける。

体の真横から鏡に映してみて、肩先が耳の下にあるか確認してみましょう。猫背の人は、肩がずっと前に出てしまっているはずです。肩を後方に下げようとすると、腰がそって胸が前に突き出てしまいがちですので、そうならないように注意してください。

肩のみの上げ下げではなく呼吸とともに体全体を使う

肩の拡張意識1.骨盤から息を深く吸いながら体を空に向かって伸ばす意識をもちながら胸を開き肩を軽く上げ後ろにまわし下げる。

太陽礼拝意識2.吸う息とともに、背中の肩甲骨の下部から胸を引き上げつつ、肩をまわし下げる。

上腕と前腕のアライメント
上腕の外転、前腕(ひじから下)の内転を意識してみてください。

上腕と前腕英語では上腕を Upper arm 前腕を Forearm と言います。

Veravhadrasaba 2 (Warrior2 戦士のポーズⅡ)では、息を吸いながら両腕を真横に上げていったん、肩から外旋させながら手のひらを上に向けてから、ひじから手のひらにかけてだけを床に向けます。

チャトランガと肩のアライメント

次に肩に最も負担が多くかかるポーズ、Chutranga Dandasana チャトランガ・ダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)を見て行きます。

悪い例(真ん中)では、肩がひじよりも下の位置に来ています。立った状態で同じ体勢を取ると、肩が前傾して、究極の猫背状態であることがわかります。肩への負担は非常に大きく、ローテータカフの怪我につながって行きます。プッシュアップのトレーニングではないので、腕を曲げて、どれだけ体が床に近づくかではなく、腕を曲げて体を前方にスライドさせながら、肩先をいかに後方に固定しておくかを意識して次のポーズのBhujangasana ブジャンガサナ(コブラのポーズ)などにつなげて行きましょう。

チャトランガで肘を体にひきつけること

チャトランがでは”Hug the elbows in” 「ひじを体にひきつけて」というキューが良く耳にするキューではありますが、ひじが体から離れすぎてはいけませんが、体にひきつけることを意識し過ぎると肩が前傾してしまいます。むしろ、ひじと体の間に遊びを作って少しぐらい離れた方が肩には無理がかかりません。形にばかりこだわらずに、自分の体にとっては何が最も理にかなうのかを考慮しながらポーズを取ることが、本来のヨガの目的です。

上記のことは、下の動画で説明していますが、8分の動画を一言でまとめると、ひじを体にひきつけると、Latissimus dorsi (広背筋=日本語だと、その名のごとく広く大きな背中の筋肉)が働くため、肩の小さな筋肉群(ローテータカフを構成する4つの筋肉:肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)は、それに負けて、肩が体の前面に来てしまうこと(猫背状態)を避けられないと言ってます。

最近は、ヨガも解剖学だけなくバイオメカニクス(biomechanics=生物の構造や運動を力学的に探求する学問でスポーツ力学とも言う。)から見た怪我をしないポーズの取り方の研究が進んでいますので、教える人も習う人も従来の教授法に捉われるないことが大切だと思います。

広背筋

広背筋

合わせて読んで欲しい記事

肩の痛みとヨガ

コメントは受け付けていません。